水のコラム

美容ライターが綴る
水の健康・美容コラムです。

海の水は生命のゆりかご

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地球の表面積の約7割は海、つまり水で覆われています。私たちはこの惑星を「地球」と呼びますが、宇宙から見たら「水球」と呼ぶ方がふさわしいのかもしれません。

原始の海は、地球が形成される段階で内部から噴き出したガスの中の水蒸気が、大気層や地表の冷却とともに液体となり、雨として地球に降りそそいだことで誕生しました。雨といっても、それは今日私たちが目にするものとは大きく異なります。年間雨量10mを超える滝のような大雨が1,000年にわたって降り続けた結果、原始の海が生まれたと考えられています。

今から35億年前、その海の中で原始的な単細胞生物が生まれます。時間をかけて進化を遂げた結果、4億年前に陸地への進出を果たしますが、そのとき最大のストレスとなったのが「水の欠乏」です。この課題を乗り越えるために、生物は体内に「海」を取り込みました。私たちの体の約65%が水で満たされているのはこのためで、実際、組織の環境となる細胞外液の組成を分析してみると、海水に含まれている物質と内容や割合が似通っているといいます。また、人間の胎児が母体で過ごす間に浸っている羊水も、海の水と近い組成であることが知られています。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で太古の海に抱かれ、もう一度進化の過程を辿ってこの世に生まれてくる——。海の水は、まさに「生命のゆりかご」なのです。