水のコラム

美容ライターが綴る
水の健康・美容コラムです。

水が育む自然の造形美

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4000万年かけて水が侵食したダイナミックな風景

海や川辺など自然の水風景は、見ているだけで心が癒されます。
今回は、もう少しダイナミックに、水が造り上げる造形美に迫ってみたいと思います。

水の力といえば、まず思い浮かぶのが川の流れによる“侵食”。米国アリゾナ州にある「グランドキャニオン」は、その究極ともいえる姿でしょう。現在グランドキャニオンと呼ばれている一帯は、今から7000万年前の地殻変動によって隆起してできた土地で、約4000万年前にコロラド川の流れによる侵食が始まったとされています。
現在までに深さ平均1,200m、長さ約450km、幅6〜29kmという壮大な渓谷を削り出し、世界遺産にも登録されました。約200万年前には現在のような渓谷ができたといわれていますが、谷底には現在もコロラド川が流れており、20年億年前、原始生命誕生時の地層を侵食中というから驚きです。

氷となって流れ、崩落する「氷河」の大迫力

世界遺産つながりで、ダイナミックな水風景をもう一つ。南アメリカ大陸の南端にある「ペリト・モレノ氷河」をご紹介します。

パタゴニアのアンデス山脈南端にある「南パタゴニア氷原」から流れ出す48本の氷河の1本で、その氷は一番厚いところで約700m。「氷河」というからには流れがあるわけで、その速さは1日約2m、長さは約30kmにわたり、最終的に流れ込むアルヘンティーノ湖の大きさは琵琶湖の約2倍。湖に流れ込む終端部は幅5km、湖面からの高さは約60m(10階建てのビルに相当)といいますから、圧倒的です。

氷河の先端が湖に崩落する迫力ある光景は、テレビなどで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。近年、地球温暖化の影響から、世界各地で氷河の後退が報告されていますが、この氷河に限っては、前進も後退もしていないようです。しかし、このまま地球温暖化が進むと、このような造形美を楽しむこともできなくなるかもしれません。

水が育む自然の造形は、見るものを感動させてくれますが、それと同時に私たちにはこれらの自然を可能な限り守り続けていく責任があるということを教えてくれています。